€95と高いが、少しばかりの案内と運転と入場料と、昼食つき。
今回はレンタカーをしないので、必要経費。
ホテルが安いから、ま、いっか。
運転手はアントニオ・ルッソという人で、先祖をたどれば、イタリアのナポリの人なんだそうだ。
彼が教えてくれたのが、家々の青い縁取りなどの言われだ。
白壁は、夏の暑さが45度にもなるためだが、青い縁取りは悪霊よけ。
黄色い縁取りは蛇が嫌う黄色を塗って、蛇が家に入らないようにとのこと。
蛇の話のほうが現実的だ。
それと、このあたりの名産であるコルクは9年に一度しか収穫できないということを学んだ。
今はみやげ物店にバッグや小物など山ほど売っているが、きっとそのうち、貴重品になるだろう。
山の上に城があるところで、公共の交通機関では行きにくい。
見晴らしが最高だった。
城門に綱の模様がしつらえてあったが、ガイドさんによると、このあたりの象徴であちこちに見られるという。
もうちょっと言葉が分かれば、もっと詳しく学べたんだろうが。
リスボンのホテルのお兄ちゃんはここ出身であった。
彼のお父さんも大理石産業で働いていたというぐらい、この辺は大理石の産地だ。
イタリアのカラーラは山を切り崩して大理石を掘削するが、ここは50メートルに及ぶ深さの穴を掘るんだそうだ。
石切り場の見学も行程に入っていたが休暇中で入れなかった。
この町には二重の城壁がある。
丘のてっぺんで工芸品の博物館や民俗博物館を見学した後、下界に下り、博物館で見たような、手作りの陶器の人形を買った。
O Pipo とかいうローカルな店で、スープとビーフシチューのランチだった。
この地方の料理はとにかく量が多く、素朴な内容。
たいてい大皿に盛ってきて取り分けて食べる形式なのだが、そもそも全部食べるとは想定していないのかもしれない。
近くのテーブルには地元のビジネスマンの一行。
乾杯のときに、「中国人のために!」と言っていた。
というのも、中国企業がこの国の電力会社の株式を21%取得したというのが、この日のトップニュースだったのだ。
乾杯は素直なものだったのか、皮肉だったのかーー。
食後、明るい日差しの中を少し散歩。
城門らしきものへ続くメインの通りの両側にオレンジの木が並んでいて、家々の白壁と黄色い縁取り、オレンジの実の橙色、葉の緑、そして空の青のおかげで、冬なのに明るく暖かい雰囲気だった。
夏は暑そうだ。
このあたりでは、1年の10ヶ月は晴れなんだそうだ。
何しろ、全部、ポルトガル語でさっぱりだ。
旅が終わってから検索したら、例の少年使節がここに泊まったらしい。
日本人ツアーでないと、そんなことは教えてもらえない。
一時間ほども分からないまま、いくつあるんだか、部屋を次々に歩き回った。
だいたい宮殿というのはどこも似たり寄ったり。
最後の台所だけは圧巻だった。
赤銅の大小のなべが無数に並んでいた。
ルドンドという町の中には入らず、一軒の店に連れて行かれた。
ろくろを回している人、絵付けをしている人、電気とガスの二つの釜などを見学した後、売り場へ。
この店は日本にも輸出しているそうだ。
やっぱり買うなら大物よね、と照明器具などを買い、送ってもらうことに(これは無事に着きました)。
かなりの散財だが、ホテルが安いから、ま、いっかーーを繰り返す。
エヴォラに戻り、ワインを一杯試飲させてもらって、一日ツアーが終わった。
そして、日本人団体旅行者にまじって、コルク製品のオカイモノにいそしんだ。